沖縄・稼大エンジニアリング株式会社

工務店が防ぐ引き渡し後クレーム

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台風とカビ 3/3

台風とカビ 3/3

2026/08/15

第3部|通過後72時間に何をするか

目次

    7. 引き渡し済み物件で確認する5箇所 

    7-1. 開口部まわりと、屋根・外壁上部

    引き渡し済み物件で優先度の高い確認箇所は5つあります。前半の2箇所は、比較的発見しやすい部位です。

    1. サッシ廻り・開口部シーリング

    横殴りの雨は、通常の降雨では濡れない部位に水を運びます。室内側の額縁・巻き込みクロスの浮きや変色は、内部含水のサインです。

    沖縄の住宅で普及している**ジャロジー窓(ルーバー窓)**は、ガラス羽根の隙間から水が入りやすい形式です。羽根の可動部やパッキンに劣化があると、閉じた状態でも浸水します。既存住宅の点検では、この形式の窓を優先して確認してください。

    2. 屋根・軒天・外壁上部

    吹き上げによる浸入は、天井裏に達してから室内に現れるまでにタイムラグがあります。天井面に染みが出た時点では、天井裏の断熱材はすでに含水しています。

    軒天の点検口がある場合は開けて確認し、ない場合は室内側の天井クロスの継ぎ目に注目してください。継ぎ目の浮きや波打ちは、上部からの含水を示す初期サインです。

    7-2. 壁体内・床下・収納の3箇所

    後半の3箇所は、目視だけでは判断できない部位です。

    3. 外壁通気層と壁体内(木造)

    最も発見が遅れる箇所です。通気層の入口・出口が飛来物や葉で閉塞していないかを確認したうえで、コンセントプレートや点検口から含水率計を入れて実測してください。目視できない以上、数値で判断するしかありません。 非破壊で測定できる高周波式であれば、既存住宅でも仕上げ材を傷めずに使用できます。

    4. 床下・基礎周り

    冠水・浸水があった物件は、床下に残った滞留水が数週間にわたり湿度供給源になります。基礎パッキンの通気が確保されているか、断熱材が水を含んで垂れ下がっていないかを併せて確認します。床下は、一度の点検で完了とせず、1週間後にもう一度入ってください。

    5. 押入れ・クローゼット・北側居室

    停電中に閉め切られていた収納内部は、通風と除湿がともにゼロだった空間です。特に外壁に面した収納の背面壁は、室内で最も温度が低くなりやすく、結露が集中します。壁面に触れて冷たさと湿り気がある場合は要注意です。 収納内に温湿度計を1台置き、24時間の推移を記録すると、居室との差が定量的に示せます。

    8. 施工中物件は、「閉じる前」が最後の機会

    8-1. 濡れた躯体を閉じないという判断

    ここまでは引き渡し済み物件を主に想定しましたが、施工中物件のほうが、判断の期限は明確です。

    台風通過時に建方が完了していれば、躯体はほぼ確実に濡れています。屋根がかかっていても、開口部の建具が未施工であれば横殴りの雨は室内に入ります。ここで問題になるのは、その水分を抱えたまま壁を閉じるかどうかです。

    一度断熱材を充填し、石膏ボードを張り、クロスを貼れば、その水分は壁体内に封入されます。5-2で述べたとおり、繊維系断熱材は含水すると自重で垂れ下がり、断熱層に欠損を生じます。木材は繊維飽和点付近まで含水し、菌糸の侵入を許します。そして閉じた後は、実測も乾燥も、解体しない限りできません。

    施工中物件で確認すべきは次の3点です。

    建方後・断熱施工前の含水率実測。 土台・柱・間柱・梁の複数点で測定し、数値を記録する

    乾燥の確認。 数値が高い場合は、送風・除湿で乾燥させてから閉じる。工程を優先して濡れたまま閉じない

    保管中の資材の水濡れ確認。 現場に仮置きしていた断熱材・石膏ボードが濡れている場合、その資材を使わない判断も含めて検討する

    乾燥のために工程を数日延ばす判断は、閉じた後の補修(解体・断熱材交換・下地復旧・仕上げ復旧の全工程)と比較して評価されるべきです。 なお、乾燥の判断基準となる含水率の目標値は、樹種・部位・使用条件により異なります。設計者または製材供給元への確認を前提としてください。

    8-2. 記録が、責任範囲の議論の質を変える

    引き渡し済み・施工中を問わず、点検で最も重要なのは記録を残すことです。残すべきは以下の6項目です。

    点検日時・天候・点検者名(すべての記録に付す)

    開口部まわり:額縁・クロスの変色写真、浮きの有無

    屋根・軒天・外壁上部:染みの位置と大きさ、ドレン閉塞の有無

    壁体内・躯体:測定位置と含水率の数値(施工中物件は乾燥後の再測定値も)

    床下:滞留水の有無、断熱材の状態、1週間後の再確認結果

    収納・北側居室:温湿度計による24時間の推移データ

    これらを台風通過後72時間以内に取得しておけば、後日カビが発生した際に「台風起因」であることを客観的に示せます。

    2-2で述べたとおり、記録がない場合の議論は交渉になります。記録がある場合はこうなります。「台風通過直後の8月9日時点で、当該箇所の含水率は32%でした。これは台風による浸水を示す数値です」——事実の提示によって、責任範囲の議論が交渉から検証に変わります。

    この差は、費用負担の帰属だけでなく、施主様との関係の質にも影響します。

    9. 説明と外注を、どう設計するか

    9-1. 施主様への説明を、いつ・どう行うか

    時間差の存在を事前に共有しておくことには、実務上の明確な利点があります。

    台風直後に「2〜4週間後に変色や臭気が出る可能性があるため、その際はすぐご連絡ください」と伝えておけば、発生時に「施工の問題ではないか」という疑念が生じにくくなり、初期段階での対処に移行できます。

    説明のタイミングが、そのまま信頼の分岐点になります。同じ内容でも、発生前に伝えれば「予測していたとおりの現象」となり、発生後に伝えれば「後付けの説明」に聞こえます。

    説明は4つの局面に分けて設計してください。

    通過後72時間以内:点検を実施したこと、実測値、2〜4週間後の発現可能性を伝える

    通過後2週間:臭気の有無を確認する(電話・メールで可)

    発生報告を受けた時点:発生機序、汚染範囲の特定が先であること、費用の考え方を伝える

    調査完了後:汚染範囲、原因、対応方針、概算費用を提示する

    発生報告を受けた際、最初に伝えるべきは**「すぐに壁を開けない」**ことです。範囲を特定せずに解体すれば、費用も工期も見積もれません。また、市販の塩素系薬剤で拭き取らないよう伝えてください。 表面の色素が漂白されると汚染範囲の目視判定ができなくなり、調査の精度が落ちます。発生初期の状態を写真に残してもらうよう依頼してください。

    9-2. 表面清掃で完了させないという判断

    市販の塩素系薬剤による拭き取りは、表面の色素を漂白するだけで、建材内部に侵入した菌糸には到達しません。色が消えることと、菌が除去されることは同義ではありません。

    木造の壁体内や石膏ボード裏面まで進行したカビは、除去範囲の特定と、菌糸レベルまで処理できる工法が必要になります。5-2で述べたとおり、木材では菌糸が細胞壁の内部まで侵入するため、表面処理では届きません。

    判断の順序も重要です。表面清掃で一度きれいにしてしまうと、汚染範囲を示す色素が失われ、後から調査する際の手がかりが減ります。清掃より先に、範囲の特定を行うべきです。

    外注を検討する段階では、少なくとも次の3点を確認してください。汚染範囲を目視以外の方法(含水率測定・菌検査)で特定するか。カビの発生原因の究明を業務範囲に含めるか。施工後に検証を行い、数値と写真を含む報告書を提出するか。このうち1つでも回答が曖昧な場合、再発時の責任は工務店様に戻ります。

    もう一点、施主様との関係が緊張している案件では、検査主体の第三者性が問われます。施工者が手配した業者の報告書は、施主様から見れば当事者の作成物です。菌検査を外部機関に委ねる、あるいは住宅検査会社の判断を併用するといった形で、評価の主体を施工者から切り離せるかを確認してください。

     

    動くべきタイミングは「今」です。

    台風13号の通過は8月6日から8日。本記事の公開時点は、カビが顕在化し始める直前の期間にあたります。引き渡し済み物件で浸水・雨漏りの報告があった案件、停電が長時間続いた北部エリアの物件、施工中で躯体が濡れた現場——いずれも、いま含水状態を確認しておくことで、2週間後・4週間後の対応コストを圧縮できます。

    カビバスターズ沖縄は、沖縄・稼大エンジニアリング株式会社が運営するカビ除去専門事業です。商業施設・公共施設・防衛施設等での対応実績をもとに、住宅分野でも工務店様・ビルダー様との協業対応を行っています。

    採用工法:MIST工法®(株式会社せらが開発)。素材を擦らず・削らずに処理する技術です。沖縄では温水高圧洗浄吸引工法も併用しています

    対応エリア:沖縄本島全域および宮古島・石垣島などの離島をはじめ全国の離島にも対応しています

    保証:施工後に実施する菌検査の結果が不合格の場合に対応します。期間を定めた保証制度は設けていません

    料金:参考価格を料金ページに掲載しています

    標準工期:対象物件の構造・汚染範囲により異なるため、現地調査後にご提示します

    下地補修・内装復旧を伴う工事:グループのカビバスターズ兵庫(株式会社稼大)が、兵庫県知事許可(般-7)第408516号(土木工事業・建築工事業・内装仕上工事業)を保有しています。除去後の復旧まで、許可業者として対応できます

    外部機関との連携体制

    判断の客観性を担保するため、社外の専門機関と連携しています。評価の主体を施工者から切り離せることが、施主様への説明において意味を持ちます。

    カビ菌検査/一般社団法人 微生物対策協会

    室内空気の清浄度、および付着菌の菌種を培養・顕微鏡により特定し、汚染状況を数値化する検査機関です。カビバスターズは同協会の講習を受けたうえで、現場での採取作業を行っています。施工前後の数値を比較できるため、除去の効果を客観的に示せます。

    第三者住宅検査/住宅検査カノム(有限会社カノム)

    一級建築士・長井良至氏が代表を務め、業務開始26年目、令和7年12月末時点で累計6,207件の検査実績を持つ第三者検査会社です。建物検査全般に加え、欠陥住宅の紛争支援を業務としています。結露・雨漏り・施工不良が疑われる案件では、カビ調査と住宅検査を組み合わせることで、原因が設計・施工・使用状況のどこにあるかを切り分けられます。

    「これはカビになるか判断がつかない」という段階でのご相談を歓迎しています。 工務店様・ビルダー様からの技術的なお問い合わせには、施工受注の有無にかかわらず対応いたします。

     

     

    カビバスターズ沖縄(沖縄・稼大エンジニアリング株式会社)

    沖縄県国頭郡金武町伊芸1996-13

    TEL:080-3977-9591(受付 9:00〜17:00/土・日曜定休)

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