沖縄・稼大エンジニアリング株式会社

夏は湿気、冬は乾燥…それでも進行するカビ被害を見逃さないために

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ZEH高気密高断熱住宅で年々深刻化するカビ被害の真実 ~第3種換気システムと基礎断熱の思わぬ落とし穴~

ZEH高気密高断熱住宅で年々深刻化するカビ被害の真実 ~第3種換気システムと基礎断熱の思わぬ落とし穴~

2025/03/02

ZEH高気密高断熱住宅で年々深刻化するカビ被害の真実


~第3種換気システムと基礎断熱の思わぬ落とし穴~

夏の見えない結露がカビを増殖させ、冬は乾燥していても床下・壁の中はカビだらけ?

こんにちは、MIST工法®カビバスターズ沖縄です。私たちは、沖縄県内で多発する住宅のカビトラブルを解消し、健康的で快適な暮らしを取り戻すお手伝いをしております。沖縄はもともと高温多湿な気候で、梅雨時期や真夏の湿度が非常に高いことは周知の事実ですが、近年、特にZEHなどの高気密高断熱住宅が普及したことで、新たなカビ問題が表面化しています。高気密高断熱住宅は、省エネルギーや冷暖房効率の向上といった大きなメリットをもたらしますが、一方で通気が不十分な場所に湿気が溜まりやすく、結露が発生すると目には見えない壁の中や床下、天井裏でカビが増殖しやすいのです。

実際に、引っ越して1年目は「少しだけカビが目立つかも…」という程度だったのが、2年目にはカビ問題が顕著に増え、3年目にはさらに深刻化するというケースは珍しくありません。特に第3種換気システムで基礎断熱仕様のZEHの場合、夏の外気温が20℃を超えたあたりから外気よりも床下の湿度が高まる傾向があり、それが見えないところで結露を起こしてしまいます。さらに冬になると、室内は一転して乾燥するため、加湿器が手放せないほどカラカラの環境になるのに、実は床下や壁の内側では水分が抜けきらずにカビが勢いを保っていることが多いのです。

こうした構造的な問題を理解せずに放置してしまうと、年々カビが広がり、住宅の劣化や健康被害につながるリスクが高まります。私たちMIST工法®カビバスターズ沖縄では、専門的な調査と対策を通じて、住まいの隅々まで安心を取り戻すお手伝いをいたします。沖縄ならではの高温多湿な環境下で、長く快適に暮らすために、ぜひ今回のブログでカビ対策の重要性を知っていただければ幸いです。

目次

    はじめに

    高気密高断熱住宅が抱える見えないリスク

    ZEH住宅で年々増えていくカビトラブルの概要

    ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、その名の通り高い省エネルギー性能を持ち、家計と環境の両面で大きなメリットをもたらす住宅として注目を集めています。高気密高断熱による優れた断熱性能は、室内の温度管理を容易にし、一年を通じて快適な居住空間を維持するうえで欠かせない要素となっています。しかし、その一方で問題となりやすいのが「湿気の滞留」によるカビの発生です。特に、建築後1年目は一見すると大きな問題がないように見えることが多いですが、2年目、3年目と住み続けるうちに「あれ、去年よりカビが増えている…?」という事態が起こり得ます。これは、高気密化された空間の中で、換気や除湿がうまく機能していないことが一因です。建物の内部—たとえば壁の内側や床下、天井裏など—は、目視で確認しにくい場所であるだけに、カビが発生していても気づかないことがしばしばあります。

    ZEH住宅の住まい手が陥りやすいのは、快適な室内環境に気を取られ、床下や壁の中といった「見えない空間」の湿度管理まで意識が向かないという点です。さらに、換気システムの種類もカビリスクに大きく影響します。たとえば第3種換気システムでは、屋内の空気を機械的に排気し、外気を自然に取り込む仕組みになっていますが、気密性の高い住宅だと外気の湿度が家の内部にとどまりやすく、床下や壁内に結露が発生しやすいのです。こうした結露は夏場に起こりやすく、一度発生するとカビの栄養源となる有機物やほこりが蓄積しやすい場所を中心に、急速にカビが拡大していく可能性があります。年々増えるカビに頭を悩ませる方は、まずはZEH住宅固有の高気密高断熱という特性が、同時にカビを増やす原因にもなり得ることを理解していただくことが重要です。

    沖縄特有の高温多湿環境がもたらす問題点

    沖縄は年間を通して気温が高く、湿度も非常に高いことで知られています。夏の平均気温は本土よりも高く、梅雨時期から台風シーズンにかけては相対湿度が80~90%に達する日も珍しくありません。このような高温多湿の気候は、カビの生育にとって絶好の条件といえます。さらに、沖縄特有の風土として、外気温が20℃を超え始める時期は早く、しかも長く続くため、外気中の湿度が高まりやすいだけでなく、換気の取り方や住宅の構造によっては床下や壁の内部が外気以上に湿度が上昇するという現象がしばしば見られます。高気密高断熱住宅では、内部と外部の温度差が大きいために結露が生じやすく、沖縄のように湿度が高い地域であればなおのこと、その結露が長い期間残ってしまう可能性が高いのです。

    結露は目に見える場所(窓ガラスや表面の水滴など)だけでなく、床下の基礎断熱層や壁の内側、天井裏などの「普段見えない場所」で発生しているケースが非常に多いのも特徴です。こうした隠れた結露は、沖縄の気候下では蒸発しきらないまま蓄積され、カビの温床になりやすいのです。その結果、「室内はエアコンを入れれば快適で、表面的には問題がないように見えるのに、なぜか年々カビ臭が増していく」といった事態を招きます。また、沖縄では冬場といっても本土と比べると気温が高めであるため、結露が発生しない時期が短く、乾燥の季節が限られているということもカビ対策を難しくする要因の一つです。さらに冬場に室内で加湿器を使わないといけないほど乾燥を感じる場合でも、床下や壁の中では湿度が思った以上に下がらず、カビが夏の湿気を維持したまま生き続けてしまうケースもあります。こうした「見えない結露」や「局所的な湿気」の問題は、沖縄ならではの気候と高気密高断熱住宅の組み合わせによってより複雑化しており、家屋を長持ちさせるうえでも、住まいの健康を守るうえでも、早めに正確な知識を得て対策を講じる必要があります。

    第3種換気システムと基礎断熱の特徴

    高気密住宅に潜む“隠れ結露”のリスク

    第1種・第2種との違い

    第3種換気システムは、住宅内の空気を機械的に排気し、その代わりに屋外の空気を自然に吸気する仕組みを採用しています。一方で第1種換気システムは、吸気と排気の両方を機械で行い、第2種換気システムは、機械的に吸気して自然に排気する方式です。これら3種のなかで、第3種換気システムは比較的導入コストが低く、仕組みもシンプルなため、多くの住宅で採用されています。しかし、高気密高断熱を追求したZEH住宅においては、外気が自然に流入する際に十分な制御が効きづらいことから、湿度面での問題が起きやすいのです。特に沖縄のように、外気温が20℃を超え始める時期が長期間続く環境では、外気中の湿度が極めて高く、室内の排気量に見合うだけの空気を取り込む過程で、床下や壁内に湿気が滞留するリスクが高まります。

    さらに、第3種換気システムでは排気ファンが常時稼働しているケースが多いため、住宅内部は負圧状態になりがちです。負圧の家に外気が流れ込むとき、隙間や換気口を通じて湿気を含んだ空気が浸入しやすくなり、目に見えにくいところで結露が発生する要因となります。第1種換気システムのように給排気の両方を機械制御できれば、ある程度空気の流れを均一化し、湿度管理をしやすくなるというメリットがある反面、設備コストやメンテナンスの負担が大きいというデメリットも考えられます。一方、第2種換気システムは外気をファンで吸気して室内を正圧に保つため、屋内の湿度コントロールはしやすい面があるものの、これもまた設計や設定次第で結露が起きないわけではありません。結局のところ、それぞれの方式には一長一短があり、特に第3種換気システムが主流となるZEH住宅では、住宅全体の気密性を踏まえたうえで、どこに湿気が溜まりやすいのかを正しく把握し、適切な換気量や除湿を実施する必要があるのです。

    基礎断熱とカビ発生の関係性

    基礎断熱とは、住宅の基礎部分(コンクリートなどでできた土台)の外側や内側、あるいは両方に断熱材を施す工法のことを指します。高気密高断熱住宅の多くでは、床下の温度を安定させるために基礎断熱が採用されるケースが増えていますが、この手法には注意すべきポイントがあります。まず、基礎断熱を行うと、外気と床下空間との温度差が縮まるように設計されているものの、湿度の流入や排出までがコントロールしきれない場合があり、結露が発生しやすい環境を作り出す可能性があるのです。特に第3種換気システムと組み合わせる場合、外気が家の内部へ自然に流入し、床下まで湿気を含んだ空気が到達してしまうと、基礎断熱材の表面や周辺部分で結露が起こりやすくなります。

    結露は温度差によって生じるだけでなく、空気中に含まれる水蒸気が過飽和状態になり、表面に水滴が現れることで発生します。高温多湿の沖縄では、外気中の水蒸気量が多いため、基礎断熱をして床下の温度がある程度高めに保たれていると、コンクリートや断熱材、さらには木材などの表面で結露が生じるリスクが高まります。しかも一度結露が始まると、湿気はなかなか逃げ場を見つけられず、床下空間にこもったままの状態になり、カビの発生・繁殖を助長してしまうのです。

    さらに、基礎断熱の場合は床下空間が半ば“室内扱い”になるため、点検口から覗くだけでは状況が把握しきれないこともあります。結露が生じている部分がコンクリートと断熱材の間に隠れていたり、断熱材の裏側など目視できない部分でカビが広がっているケースも珍しくありません。こうしたカビは、住んでいる方に気づかれないまま徐々に面積を拡大し、建材を劣化させたり、室内の空気質に悪影響を及ぼす原因となります。基礎断熱の導入そのものは断熱性能を高め、快適性や省エネにつながる大きな利点がありますが、その反面、換気システムとのバランスをしっかり考慮しなければ、見えないところでカビ被害を深刻化させるリスクがあることを十分理解しておく必要があります。

    年々深刻化するカビ被害のメカニズム

    表面の少しの異変が示す“見えない内側”の深刻化

    1年目:少し目立つカビ

    1年目は、引っ越し直後や新築当初のフレッシュな住環境をまだ保っていることから、「ちょっとだけカビが目につくかな」という程度のケースが多いといえます。たとえば窓サッシのまわりに黒ずんだ斑点が出たり、浴室のコーキング部分がうっすらとカビ色になったりと、一般的な住宅でもよく見られる光景です。しかし、ZEHなどの高気密高断熱住宅においては、そのわずかなカビの発生が、実は“危険なサイン”である可能性も否定できません。高気密化された空間では、外気との温度差や湿度差が生じやすいため、わずかな結露が壁内部や床下空間に入り込み、カビが繁殖するための条件を整えてしまっている場合があります。

    この時期に見える程度のカビは、カビ自体がまだ表層にとどまり、建材の深部や壁の裏側までは広がっていない可能性がありますが、これを放置すると2年目、3年目にかけて一気に増殖していくリスクが高いのです。特に沖縄のように、外気温が20℃を超える期間が長く、湿度が高止まりしやすい環境では、1年目のカビが「自然に消えてくれる」ことはまずありません。むしろ基礎断熱や第3種換気システムの影響で、室外の湿気が床下や壁の内側に入り込み、カビにとって好都合な温湿度を常に提供してしまう状況になりがちです。したがって1年目にカビを少しでも発見した際は、「今後どうなるか」を危惧し、早期に対処方法を考えることが住宅を長持ちさせるうえでも重要になります。

    2年目:増加するカビ被害

    2年目になると、1年目に少しだけ見られたカビが、各所で目立ち始めるケースが増えてきます。特に沖縄の夏は湿度が高く、室内外の温度差による結露が長期化しやすいため、床下や壁の内側に発生したカビが勢いを増して広がるのに十分な環境が整ってしまうのです。一度カビが根を下ろした場所は、表面を掃除したり一時的に乾燥させたりしても、建材の深部に胞子が残っている場合が多く、次の多湿期には再び活性化してしまいます。2年目のタイミングで注意しなければならないのは、最初は限られた範囲にしかなかったカビが、複数の部屋や天井裏、床下全体にわたって分散し始めることです。

    さらに、第3種換気システムで常時排気が行われ、外気が自然に流入する家の場合、外の高温多湿な空気が室内に入りやすく、床下や壁内に入り込む湿気をうまく排出できないことが大きな要因となります。外気温が20℃を超える日はもちろん、気温が比較的低い日でも相対湿度が高いときは、建物内部に入り込む水分量が多くなるため、結露発生リスクは依然として続きます。そして2年目以降は、1年目に比べて建材自体が水分を含んだり乾燥を繰り返してダメージを受けており、カビの付着をより許しやすい状態になっている可能性も高いのです。こうしたプロセスを経て、一度増加の兆しを見せ始めたカビは、対策がなされない限り、年々広がりを見せる傾向が強くなります。

    3年目:隠れた場所で一気に拡大

    3年目に差し掛かると、2年目から続いているカビ被害が「表面だけの問題」ではなく、建物の内部で深刻化しているケースがしばしば見受けられます。最初は窓のサッシや浴室周りなど、目に見える部分で発生していたカビが、今度は床下や壁の中、天井裏などの普段は点検しない場所で本格的に広がっている可能性が高いのです。この段階になると、表面上はわずかな変色や異臭だけしか感じられなくても、点検口を開けた床下や断熱材の裏、天井板の裏側などを確認すると、一面にカビが繁殖していた…という事例も決して珍しくありません。

    この“隠れた場所で一気に拡大”が起こる背景には、沖縄の高温多湿気候と高気密高断熱住宅の断熱性能、そして第3種換気システムによる負圧環境が大きく関係しています。高断熱化された床下や壁内部は、温度が安定しているぶん、一度湿気が入ると乾きにくい環境になります。しかも、普段は日の光や外気の風通しが届かないため、カビにとってはまさに“理想的な住処”となってしまうのです。3年目以降に深刻化したカビ被害は、建材の腐食やシロアリなどの害虫被害を招き、建物の寿命や家族の健康にも大きなリスクを及ぼす恐れがあります。この段階になると、一般的なカビ取り剤での対処はほぼ無力化してしまい、本格的な専門業者による調査・処置が必要となるでしょう。逆に言えば、3年目まで待たずに1年目・2年目の段階で原因を特定し、適切な対策を講じておくことが、カビを増殖させずに快適な住環境を守るための最善策となります。

    夏の見えない結露が起こす問題

    蒸し暑い季節の“隠れた水滴”がもたらす深刻なリスク

    外気温が20℃を超えた時の床下湿度変化

    夏になると、外気温が20℃を超える日は沖縄では当たり前のように続きます。実際には20℃どころか、30℃以上の暑さが日常的に訪れることも珍しくありません。こうした気温上昇に伴い、空気中に含まれる水蒸気量も急激に増えます。高気密高断熱住宅では室内環境が快適に保たれている一方、床下空間や壁の中に湿気が滞留しやすくなることが大きな問題です。特に基礎断熱が施された住宅だと、床下は外気温の影響を受けにくく設計されているため、外気との温度差が意外に大きくなることが多いのです。すると、床下内で相対湿度が高まり、わずかな温度差でも結露が発生しやすくなってしまいます。

    また、第3種換気システムを採用している場合、家の中は常に負圧状態になりがちで、湿った外気が自然と床下や壁内に流れ込みやすくなります。外気温が20℃を超えたあたりからは、湿度の高い空気がどんどん侵入し、それが狭い空間に閉じ込められる形で湿度をさらに押し上げてしまうのです。表面には現れにくいものの、こうした「潜在的な湿度上昇」が夏場の見えない結露の大きな原因になります。床下が一旦高湿状態になると、コンクリートや断熱材、木材などが水分を多く含むようになり、結果的にカビの増殖条件が整うことにつながります。外気温が20℃を超え始める頃から、床下の湿度に気を配ることが、カビ問題を年々深刻化させないための第一歩なのです。

    床下・壁内の結露によるカビ増殖の実態

    床下や壁内は普段、住人の目に触れにくいため、そこに生じる結露や湿度変化が見過ごされやすいのが現実です。しかし、高気密高断熱住宅においては、夏場の結露がとくに厄介です。壁内や床下の温度と外気温との微妙な差が続くと、内部の相対湿度が高まり、やがて結露が発生します。このとき生じた水分は蒸発しにくく、断熱材や木材の表面にしみ込んでいく形で蓄積される場合があります。こうした隠れた結露が起きると、カビにとっては絶好の繁殖環境となり、気づかないうちに建物の内部で黒カビや白カビが急速に増殖してしまうのです。

    さらに、結露は一度発生すると周辺の建材にも波及しやすいという特徴があります。木材の繊維に水分が入り込めば、その部分だけではなく、周辺の空気まで湿度が高まるため、次々とカビの胞子が付着して広がる連鎖反応が起こるのです。実際に、天井裏や壁裏の断熱材が長期間湿った状態にあるケースでは、表面には何も異常が見当たらないにもかかわらず、いざ点検してみると大量のカビが生えていたという事例が多く報告されています。こうしたカビが繁殖し続けると、建材が徐々に腐食するだけでなく、室内の空気質にも悪影響を及ぼし、住人の健康リスクが高まることは言うまでもありません。夏の見えない結露は、カビが爆発的に増殖する要因を裏から支えているという点で、最も軽視できない問題の一つだといえます。

    湿気がこもりやすい沖縄ならではの注意点

    沖縄は年間を通じて気温が高く、特に夏場は湿度が非常に高い環境です。そのため、住宅の中も外も常に“湿度”との戦いを強いられる状況にあります。とりわけ沖縄の高気密高断熱住宅では、断熱性能が高いぶん、一度屋内や床下に入り込んだ湿気が閉じ込められ、滞留する傾向が強まります。さらに、第3種換気システムを導入している場合は、外から取り込んだ空気を十分に除湿しきれずに床下や壁内部に送り込んでしまい、結露やカビの発生を助長するリスクが高くなるのです。また、外気温が20℃を超えた頃から湿度が急激に上昇しやすい沖縄では、梅雨明け後の真夏だけでなく、春先や秋口でも湿気が多い日が続くため、一年のうち長期にわたり結露のリスクが存在するといっても過言ではありません。

    もう一つ注意しなければならないのは、冬場との温湿度のギャップです。沖縄の冬は本土ほど寒くならないため、外気温が下がっても相対湿度は依然として高めに推移します。そのため、床下や壁の中に潜んだ水分が完全に抜けきらず、春や夏の高温多湿期を迎える頃には再びカビが活動しやすい状態が整ってしまうのです。一般的には冬場は乾燥しやすいと言われますが、沖縄に限っては乾燥が明確に続く時期が短いうえ、住人が加湿器を使用することでさらに水分が補給されてしまうケースも少なくありません。結果として、カビの原因となる湿気が通年で家の中にとどまりやすく、表には出にくい「見えない結露」が着実に住環境を蝕んでいくのです。こうした沖縄独自の気候特性を踏まえたうえで、換気や除湿、点検をこまめに行うことが長期的なカビ被害を防ぐ重要なポイントといえるでしょう。

    冬の乾燥とカビの相反する問題

    見た目はカラカラでも潜む湿気が家を蝕む

    室内の乾燥と加湿の必要性

    冬になると、沖縄でも空気が冷たく感じられる日が増え、室内環境もどことなく乾燥気味に感じられることがあります。特にエアコンやストーブなど暖房器具を使用すると、室温は上がっても相対湿度が低下し、喉や肌の乾燥を感じやすくなるため、加湿器を使って適度に湿度を補うことが必要になります。実際、家族の健康を考えれば、ある程度の湿度が保たれたほうがインフルエンザや風邪の予防にも効果的とされています。こうした理由から、冬場は「乾燥をどう防ぐか」が大きな課題となり、ついつい加湿器をフル稼働させてしまうケースが少なくありません。

    しかし、高気密高断熱住宅のなかには、外部からの冷気を遮断する一方で、いったん家の中に入り込んだ湿気がこもりやすい構造になっているものが多くあります。冬場に室内が乾燥すると感じるのは、あくまで体感的な面が大きく、建物の内部、たとえば床下や壁の内側、天井裏といった目に見えない空間の湿気が完全に抜けているかというと、必ずしもそうとは限りません。特に沖縄の気候は、本土ほどの厳しい寒さが続かないため、真冬でも気温がある程度高めに推移する日が少なくありません。その結果、室内を加湿し続けていると、乾いているように感じる空間と実は十分な湿度が保たれている空間が同居し、住まい全体としては「湿度が過度に高い部分」が存在している場合も多いのです。しかも、この湿気が建材の隙間や断熱材周辺に集まってしまうと、冬の間に知らず知らずのうちにカビの温床が作られてしまうことさえあります。したがって、冬の乾燥を補う加湿は必要ではあるものの、同時に住宅内部の見えない湿度にも配慮しながら行うことが、カビ対策という観点からは非常に重要になるのです。

    乾燥していても床下や壁内は湿気が残存

    沖縄の冬は、本土ほど極端に気温が下がることは少なく、乾燥のピークが長く続くということもあまりありません。確かに一時的には乾燥する日があっても、晴れた日中は太陽熱によって外気温が思いのほか上昇し、気温差によって生じる相対湿度の増減が激しくなるという特徴があります。結果として、住まいの中には「乾燥している部分」と「湿り気が残っている部分」が混在しやすくなり、一見すると家全体がカラッとしたように感じられても、実際には床下や壁の内側には想像以上に湿気が溜まっているケースが多いのです。

    特に基礎断熱仕様の高気密高断熱住宅では、床下空間が室内環境に近い温度帯に保たれるため、わずかな湿気でも結露しにくい反面、一度入り込んだ湿気が行き場を失い、長期的に留まり続けることがあります。さらに第3種換気システムによる常時排気は、室内の負圧状態を作り出すため、外気中に含まれた湿気が床下や壁のすき間へと吸い込まれやすくなるのです。冬場は暖房器具の使用で室内が暖まるぶん、外との温度差によって相対湿度のバランスが崩れやすく、結果として家の内部で「目に見えない結露」が続発している可能性も考えられます。表面的には乾燥しているように思えても、いざ点検口を開けてみると、床下のコンクリートや断熱材がじっとりと湿っている—といった事例は少なくありません。こうした場所は空気の流れが悪く、日差しも当たらないため、一度発生したカビが冬場でも休眠状態に陥ることなくじわじわと広がっていくのです。最終的には春先から夏場に向けて気温と湿度が上昇すると、一気にカビが活性化し、大掛かりな修繕や対策が必要になるケースも十分に考えられます。

    見落とされがちな冬場のカビリスク

    冬場は「カビは夏に発生するもの」という思い込みから、意外と点検を怠りがちな季節でもあります。暖房を使用していても、室内の空気が乾いているように感じられると、「カビの心配なんて今は必要ないだろう」という安心感が生じやすいのです。しかし、沖縄の住宅環境や高気密高断熱の構造を踏まえると、実際には冬の間にこそカビの根がゆっくりと広がっている可能性があります。見えない場所で発生したカビは、春や夏の高温多湿期が訪れた際に一気に成長を加速させるため、冬のうちに一定の増殖準備を整えているともいえるのです。

    また、冬場に加湿器やファンヒーターなどを使用すると、室内空気が対流しにくい箇所や、壁際、天井裏などの狭小スペースには湿度が偏って溜まることがあります。特に第3種換気システムの運用で屋内が負圧になると、外気中の湿気がすき間から家の内部に入り込みやすくなり、床下や壁内で結露を引き起こす要因にもなるのです。いったん内部で生じた結露が低温の環境下で持続すると、カビは目立った繁殖スピードこそ遅いものの、完全に死滅するわけでもなく、胞子がしぶとく生き残ることがあります。結果として、春から夏にかけて外気温が上がり、湿度が高くなるタイミングで爆発的に増殖してしまう—という“遅延型”のカビ被害が起こりやすいのです。冬場に「まさかカビが生えているとは思わなかった」という声は少なくありませんが、この時期こそ定期的な点検や除湿対策を行い、室内・床下・壁内に潜む余分な湿気を排除することが、長期的なカビ対策の重要な鍵となります。

    カビが住宅や健康に及ぼす影響

    見えない侵食が家と身体をむしばむ危険性

    建物の劣化・寿命への悪影響

    カビは単に見た目が悪いだけでなく、住宅そのものの劣化を進める大きな原因になります。たとえば基礎断熱が施された床下や壁の内部でカビが繁殖すると、建材—特に木材や断熱材—が長期間にわたって湿気を含んだ状態になり、その結果として腐朽や変形が進行しやすくなるのです。木造住宅の場合、木材内部がカビや菌に浸食されると、強度が著しく低下し、最悪の場合は構造そのものの安全性を脅かす危険さえあります。また、コンクリート造や鉄骨造の建物であっても、結露がきっかけで錆やヒビ割れが生じるケースがあり、断熱材が劣化することで本来の高気密高断熱性能を維持できなくなるなどの問題が発生します。

    さらに、床下や壁の内側に潜んでいるカビが出す腐食ガスや有機酸が、建材をじわじわと侵食し、知らないうちに住宅全体の耐久性を下げてしまう可能性も否定できません。一見すると“汚れの一種”に思われがちなカビですが、実際にはカビが繁殖し続ける環境—つまり結露や高湿度など—が長引くほど、建物そのものの寿命を大幅に縮めるリスクがあります。とりわけ沖縄のように高温多湿な気候下では、カビの発生・拡大が急速に進むため、「まだ築年数も浅いのに、構造材が傷んでいる」という事態が起きやすいのです。結果として、早期にリフォーム工事やメンテナンスが必要になり、大きなコスト負担を強いられることにもなりかねません。カビの問題を放置すると、表面に見える部分だけでなく、家の基盤となる部分に深刻なダメージを与えてしまうという点を改めて認識しておく必要があります。

    カビによるアレルギーや呼吸器疾患のリスク

    カビが放つ胞子や揮発性の有機化合物(MVOC)は、住人の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。アレルギー体質の方や小さな子ども、高齢者などは、カビによる刺激に敏感で、喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状が悪化する例が多く報告されています。特に沖縄は一年を通じて高い湿度が続き、カビが発生しやすい環境であるうえ、高気密高断熱住宅では換気のコントロールが不十分な場合、室内空気中に漂うカビの胞子濃度が増してしまうのです。壁や床下など目に見えない場所でカビが繁殖していると、「なんとなく部屋がカビ臭い」「喉のイガイガ感が続く」といった症状が現れはじめることがあります。これを放置すると、気管支炎や副鼻腔炎など、より深刻な呼吸器疾患へと進行する危険性も高まります。

    また、カビは私たちが思っている以上に多種多様な種類が存在し、その中には毒素や病原体を産生するものも含まれます。例えば、真菌性の感染症や、免疫力の低い方に深刻な疾患をもたらす病原性カビもあるため、単に「カビが見えるから不快」というレベルでは済まないリスクを抱えているのです。住まいの空気質が悪化すれば、睡眠の質の低下や集中力の低下、慢性的な疲労感につながる可能性も指摘されています。こうした健康被害はすぐに表面化しない場合も多く、「なんとなく体調がすぐれない」という慢性的な状態が長引くことになりかねません。家族の健康を守るうえでも、カビ問題を軽視することはできないのです。早い段階からカビを発生させない環境づくりや、専門業者による調査と対策を検討することが、安心・安全な住空間を維持するために欠かせないステップといえるでしょう。

    カビ対策と予防のポイント

    見えない部分まで徹底ケアで安心の住まいを

    定期的な点検・メンテナンスの重要性

    住宅のカビ問題を未然に防ぎ、長期的に安定した住環境を維持するためには、やはり「定期的な点検」と「早めのメンテナンス」が欠かせません。カビは一度発生すると、表面を除去しただけでは再び同じ場所に繁殖するリスクが高いのが特徴です。その原因として、カビの胞子が建材の内部や断熱材の裏側にまで入り込んでしまうことが多いからです。特に高気密高断熱住宅のように、建物内部が外気から遮断され、温度や湿度が安定しがちな構造では、床下や壁の内側、天井裏など目視できない空間でカビがじわじわと増えるケースが少なくありません。

    こうした見えない部分のカビを放置していると、建材の劣化が進むだけでなく、住まい全体の空気質にも悪影響を及ぼします。さらに、沖縄のような高温多湿の環境下では、春から夏にかけて外気温が上昇すると、一気にカビの活動が活発になり、短期間で被害が拡大することも珍しくありません。そのため、少なくとも年に一度は床下や天井裏、壁内の状況をプロの専門業者にチェックしてもらい、結露や湿気が蓄積していないかを確認することをおすすめします。定期点検をルーティン化しておけば、問題が小さいうちに対処できるため、大がかりな修繕工事を要するリスクを大幅に減らすことができます。早めのメンテナンスは費用を最小限に抑えつつ、家の寿命を延ばし、家族の健康を守るうえでも非常に有効な手段となるのです。

    換気・除湿・断熱のバランスを考える

    カビの発生を抑えるうえで最も大切なのは、「湿気をため込まない環境づくり」です。そのためには、換気と除湿、そして断熱性能をうまく組み合わせ、住まいの内部と外部の温湿度差を最小限に抑える工夫が求められます。まず、換気については第3種換気システムを導入している場合、外気が自然に取り込まれ、室内の空気が排出される仕組みを理解しておくことが重要です。沖縄のように外気が高温多湿になる環境下では、ただ排気ファンを回すだけでは湿度コントロールが不十分となりやすいため、除湿機やエアコンのドライ機能を併用し、室内全体の湿度が適切な範囲(一般的には40~60%程度)に収まるよう管理することが理想的です。

    一方、断熱性能が高い住宅では、夏場と冬場の温度差が小さくなるメリットがある反面、湿気も抜けにくくなるという特性を持っています。そのため、基礎断熱や壁内断熱を施工している場合は、床下や壁の隙間がどうしてもこもりがちな湿気の通り道を確保しているか、あるいは断熱材自体が吸放湿に対応しているかなど、素材や設計段階の工夫が欠かせません。また、冬の乾燥を防ぐ目的で加湿を行う場合も、室内が極端に湿度過多になっていないか、床下や壁裏の結露を増やしていないかを定期的にチェックし、状況に応じて換気や除湿を強化することが大切です。要は「換気・除湿・断熱」の三位一体のバランスを保ち、どこかひとつに偏りすぎないよう継続的に管理していくことが、カビ対策と省エネ性能を両立させる最善の方法といえるでしょう。

    MIST工法®でのカビ対策事例

    MIST工法®は、住宅内のカビを根本から対策するために開発された施工方法です。一般的なカビ取り剤による表面的な除去と違い、MIST工法®では専門的な調査を経て、カビが発生している箇所を特定し、必要に応じて床下や壁の内部、天井裏などの隠れた部分までしっかりとアプローチしていきます。まずは高圧ミストによる薬剤噴霧でカビを除去し、胞子や菌糸が奥深くに入り込んでいる場合でも、有効成分がすみずみまで行き渡るよう工夫されています。さらに、施工後は防カビ効果を長期間持続させるためのコーティングや、再発防止のための環境改善アドバイスも行われるため、一度対策を施した後の再発リスクを大幅に軽減できるのが特長です。

    特に沖縄の住宅で多いケースとして、基礎断熱仕様の床下や壁の内側でカビが広範囲にわたって繁殖していた事例があります。従来の表面的なクリーニングだけではアプローチしきれない部分にまで、MIST工法®のミスト噴霧が行き届くことで、見えないカビも根こそぎ除去が可能となりました。施工後は定期的な点検を行うことで、湿気がたまりやすい時期でも早めに状況を把握し、必要に応じて追加の防カビ処置や換気調整を行っています。結果として、住まいの耐久性が向上すると同時に、室内空気の質も改善され、家族が安心して暮らせる環境を維持することにつながっています。MIST工法®を活用したカビ対策は、高温多湿の沖縄において高気密高断熱住宅を守るうえで、極めて有効な選択肢のひとつと言えるでしょう。

    まとめ

    高気密高断熱住宅と“カビトラブル”への最終チェックポイント

    高気密高断熱住宅のメリットとデメリット

    高気密高断熱住宅は、近年の省エネ志向や快適性の追求に応えるかたちで広く普及しつつあります。従来の住宅と比べ、外気温や外気の影響を受けにくいため、室内環境をある程度一定に保ちやすいのが最大のメリットです。夏場はエアコンの効率が高まり、少ない電力で涼しく過ごせるほか、冬場も暖気が外に逃げにくいため、暖房にかかる光熱費を抑えられるという恩恵があります。さらに、遮音性が高いという利点も見逃せず、外部の騒音が軽減されることでストレスフリーな生活を送りやすい点も高気密高断熱住宅ならではの魅力といえるでしょう。

    しかし、この“外からの空気を遮断する”という特性が、住宅内部の湿度コントロールを難しくしている一面もあります。空気の通り道が少なくなるため、換気が不十分だと湿気が滞留しやすくなり、カビや結露の発生リスクが高まってしまうのです。とりわけ沖縄のように高温多湿の気候では、床下や壁内、天井裏のような目に見えない空間で湿度がこもりやすく、住んでいる人が気づかないうちにカビが繁殖してしまうケースが後を絶ちません。省エネルギー性能や快適性というメリットを最大限に享受するためには、高気密高断熱がもたらす“デメリット”にも目を向け、住宅全体の湿度管理と換気計画を綿密に考慮する必要があります。決して“電気代が安くなる”だけで済む話ではなく、構造材や住人の健康に及ぼす影響も含めて見極めながら維持管理を行うことが、高気密高断熱住宅を長期にわたって快適に保つための大切なポイントです。

    見えない結露を把握し、早めに対策を

    多くの人が結露というと、窓ガラスに水滴がついている状態をイメージしがちです。しかし、本当に厄介なのは床下や壁内など「目に見えない場所」で発生する結露です。高気密高断熱住宅では、外部との温度差を最小限に抑える設計が施されているため、一見すると結露など起きにくいようにも思えます。ところが、実際にはわずかな温度差でも高温多湿の空気が建物の内部に入り込み、その空気が冷やされることで結露が生じるケースが珍しくありません。しかも、断熱材や基礎のコンクリート部、木材との間に水分が蓄積すると、それが乾きにくい環境を作り出し、結果的にカビの温床を増やすことになってしまいます。

    こうした「見えない結露」は、建物が新しいうちはまだ症状が目立たないかもしれませんが、住み始めて1年、2年、3年と月日が経過するにつれて、じわじわと住宅内部に影響を及ぼしていきます。特に外気温が20℃を超えれば床下の湿度が外気以上に高まりやすい沖縄の気候では、思わぬ場所でカビが繁殖し、建材を傷めたり、室内の空気質を悪化させたりするリスクが高いのです。そうならないためには、定期的な点検やメンテナンス、そして必要に応じたカビ対策の施工を早めに行うことが欠かせません。見た目の美観やカビ臭だけでなく、住宅の寿命や家族の健康にまで関わる重大な問題として、結露のリスクを正しく認識し、被害が小さいうちに手を打つことが何よりも重要なのです。

    安心・安全な住環境を守るために

    結局のところ、高気密高断熱住宅が生み出すメリットを最大限に生かしながら、デメリットであるカビリスクを抑制するには「環境の総合管理」がカギになります。湿度管理はもちろん、適切な換気システムの設定、断熱材の選択、季節ごとの気温変化に合わせた除湿の徹底など、さまざまな要素が絡み合って住宅の環境を左右しているからです。住人自身が毎日の生活習慣を見直し、換気のタイミングやエアコン・除湿機の使い方を最適化するのはもちろんのこと、床下や壁内などの点検口を活用して定期的に状態をチェックするなど、小さな行動の積み重ねがカビ問題を未然に防ぐ大きな一歩となります。

    さらに、専門家の力を借りることも有効です。例えばMIST工法®のようなプロによるカビ対策工法を導入すれば、一般的な除カビ剤では届かない壁の内部や天井裏にもアプローチでき、長期的な防カビ効果を期待できます。専門的な知見に基づいて住宅構造を理解し、湿度が蓄積しやすい箇所を的確に見極めたうえでアフターフォローまで行う体制は、安心・安全な住環境を維持するうえで強い味方となるでしょう。沖縄のように高温多湿の土地柄では、カビの発生が加速しやすいだけに、ほんのわずかな見落としが住宅の劣化や家族の健康トラブルにつながる危険があります。だからこそ、日頃からの意識と専門的なサポートを組み合わせることで、住まいを長持ちさせ、家族が健やかに暮らせる環境を守り抜くことが大切なのです。

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    カビバスターズ沖縄
    沖縄県国頭郡金武町伊芸1996-13
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