見えないカビを発見する方法と専門業者に頼るべき判断基準
2025/04/07
1. 天井裏・床下・内壁のカビは自分で調べられる?
1.1. カビの発生しやすい条件と環境
1.2. カビの兆候を見極めるポイント
1.1. カビの発生しやすい条件と環境
カビは、特定の条件が整うことで発生しやすくなります。天井裏・床下・内壁といった普段目にしにくい場所は、カビにとって理想的な環境になりやすく、知らない間にカビが繁殖してしまうことも少なくありません。ここでは、カビが発生しやすい条件と、それがどのような環境で促進されるのかについて詳しく解説します。
1. 温度が高い環境
カビの発育に適した温度は 20~30℃ とされています。特に 25℃前後 になると繁殖スピードが上がるため、気温が高くなる夏場や梅雨時期にはカビが急増しやすくなります。
また、 天井裏や床下 は外気温の影響を受けにくいため、室内の気温が低下しても 一定の温度が維持されやすい ことが特徴です。冬場でも 断熱材の影響で温度が保持され、カビの成長が止まらない ことがあるため、注意が必要です。
天井裏の温度環境
天井裏は日中の外気温の影響を受けやすく、夏場は 50℃以上 になることもありますが、夜間に結露が発生することでカビの発生が促進されることがあります。
床下の温度環境
床下は地面の影響を受けやすく、外気温と比べて比較的安定しています。しかし 湿気がこもりやすく、梅雨や秋口には結露が発生しやすい ため、カビが生えやすい環境になっています。
2. 湿度が高い環境
カビの発育に必要な湿度は 60%以上 ですが、 80%を超えると急激に繁殖 します。
天井裏・床下・内壁は、換気が不十分な場合が多いため湿気がこもりやすく、次のような要因によってカビの温床となります。
天井裏の湿気要因
屋根の結露(温度差が大きいと発生)
漏水による湿気の蓄積(雨漏り・水道管の破損)
換気不足(通気口の設計ミスや詰まり)
床下の湿気要因
地面からの湿気の上昇(特に防湿対策がされていない場合)
雨水の浸入(基礎部分の防水処理が不十分)
通気口の設計ミスや塞がれているケース
内壁の湿気要因
結露(水蒸気が壁内部に溜まる)
断熱材の施工不良(内部に湿気がこもる)
壁の裏側に水漏れ(配管の破損)
湿気が高い環境ではカビの胞子が空気中に浮遊しやすくなり、家のさまざまな部分に拡散する原因となります。
3. 通気性が悪い場所
カビは風通しが悪く、空気が滞留しやすい場所で発生しやすくなります。
特に 天井裏や床下、内壁の内部 は、普段換気を意識することが少ないため、カビが繁殖するリスクが高くなります。
天井裏の換気不足
断熱材の施工によって空気の流れが遮断される
屋根裏換気口の設計が不十分
床下の換気不足
基礎部分の通気口が塞がれている
収納スペースや配管が風通しを妨げている
内壁の換気不足
壁の内部は基本的に空気の流れがないため、湿気がこもりやすい
壁紙の裏側にカビが発生し、表面には見えない状態で進行する
特に 新築住宅やリフォーム後の家 では、気密性が高くなっているため、換気対策が不十分な場合にはカビの発生リスクが高まります。
4. ホコリや有機物の蓄積
カビは ホコリや木材の表面にある有機物 をエサとして成長します。天井裏や床下、内壁の裏側には、人が掃除できない場所が多いため、カビが繁殖しやすくなります。
ホコリが溜まりやすい場所
天井裏の断熱材の上
床下の基礎部分
壁紙の裏側やボード内部
木材が腐食しやすい環境
屋根や柱の木材部分に水分が染み込むと、カビとともに腐朽菌が発生する
床下の木材が長時間湿気にさらされると、カビが繁殖しやすくなる
特に 古い家屋やメンテナンスが行き届いていない場所 では、ホコリや有機物が堆積しやすく、カビの温床となるリスクが高まります。
5. 光が当たらない暗い環境
カビは 紫外線に弱い ため、太陽光が直接当たる場所では繁殖しにくい傾向があります。しかし、天井裏・床下・内壁の内部は常に暗いため、カビにとっては 理想的な繁殖環境 となります。
天井裏 → 窓がなく光が入らないため、カビが発生しやすい
床下 → 地面に近く、日光が届かないためカビが増えやすい
内壁 → 壁の中に湿気がこもるとカビの発生が進行しやすい
暗い環境ではカビが活発に成長し、目に見えないうちに家全体に広がることが多いため、定期的なチェックが必要です。
まとめ
天井裏・床下・内壁のカビは、 温度・湿度・通気性・ホコリ・光の有無 などの条件が揃うことで急激に発生・拡散します。特に、 湿度が高く換気が悪い場所 ではカビが繁殖しやすく、一度発生すると見えない場所でどんどん広がることもあります。
1.2. カビの兆候を見極めるポイント
カビは目に見えるようになった時にはすでに広がっていることが多いため、 初期の兆候を見極めることが重要 です。特に、 天井裏・床下・内壁 のような普段目にしにくい場所では、直接目視するのが難しいため、 臭いや湿気、シミ、アレルギー症状などの間接的なサイン を頼りにすることになります。
ここでは、カビが発生している可能性が高い兆候と、それを発見するためのポイントについて詳しく解説します。
1. カビ特有の臭いを感じる
カビが繁殖すると、 独特のカビ臭 が発生します。これはカビが放出する MVOCs(微生物揮発性有機化合物) によるもので、特に 天井裏・床下・内壁 などの密閉空間では臭いがこもりやすくなります。
カビの臭いの特徴
「古い本や湿った布のような臭い」
「土っぽい・腐敗臭のようなにおい」
「酸っぱいようなツンとする臭い」
臭いを感じやすい場所
天井裏
→ エアコンの吹き出し口や天井に近い部分で臭いを嗅ぐと確認しやすい
床下
→ 床に近い部分(押し入れの下、畳の隙間、フローリングの継ぎ目)で異臭がする
内壁
→ 部屋に入った瞬間にカビ臭がする場合、壁の内部にカビが発生している可能性がある
カビ臭は 換気をしても消えないことが特徴 なので、異臭を感じたら注意が必要です。
2. 湿気がこもっている・結露が発生している
湿度が高い環境はカビが繁殖する大きな要因となります。天井裏・床下・内壁の湿気は 結露 や 水分の染み込み によって増えることが多く、カビ発生の前兆となります。
湿気の兆候
窓や壁に結露が頻繁に発生する
天井裏や床下の木材がしっとりしている
壁紙が浮いたり、剥がれたりしている
確認方法
天井裏 → 懐中電灯で覗き込み、木材や断熱材が湿っていないかチェック
床下 → 通気口の周囲を触ってみて、湿気を感じるかどうか確認
内壁 → 壁紙を触ってみて、しっとりしている部分がないかチェック
湿気のこもる場所では 壁紙の裏や木材の内部でカビが発生 している可能性が高いため、定期的に確認することが重要です。
3. 壁や天井、床にシミができる
カビが発生すると、 黒や緑、赤茶色のシミ が現れることがあります。これは カビの菌糸や胞子が増殖 している証拠で、特に 水漏れや結露が起きた場所 に多く見られます。
シミの特徴
黒っぽいシミ → 黒カビの可能性大(天井裏・床下・内壁に多い)
緑っぽいシミ → トリコスポロンなどのカビの可能性(床下に多い)
赤茶色のシミ → 水分が乾燥した跡(放置するとカビ発生の原因)
シミを確認する方法
天井裏 → 屋根材や断熱材にシミがないか確認
床下 → 木材の柱や基礎部分にシミがないか確認
内壁 → 壁紙やクロスの裏にシミがないか確認(クロスをめくってチェック)
天井や壁に シミが広がっている場合は、内部にまでカビが浸透している可能性 があります。
4. 体調不良やアレルギー症状が出る
カビの胞子やMVOCsは、人体に影響を与えることがあります。特に 呼吸器系のトラブルやアレルギー症状 が続く場合は、カビが発生している可能性を疑うべきです。
カビが原因と考えられる症状
くしゃみ・鼻水・鼻づまり
目のかゆみ・充血
喉の痛み・咳が出る
頭痛や倦怠感が続く
どんな時に症状が出やすいか?
家の中にいると症状がひどくなる → 室内にカビが発生している可能性
特定の部屋にいると体調が悪くなる → その部屋の天井裏・床下・内壁にカビがある可能性
エアコンをつけると症状が悪化する → エアコン内部や吹き出し口付近のカビを疑う
特に 小さい子どもや高齢者、免疫が弱い人 は影響を受けやすいため、慎重にチェックする必要があります。
5. 小さな黒い点やホコリのようなものが増える
カビの初期段階では、 ホコリと見分けがつきにくい 小さな黒点が現れることがあります。特に、 天井裏や床下、壁紙の隙間 にポツポツとした黒点ができている場合、それは カビの繁殖が始まっているサイン かもしれません。
黒点の特徴
消してもすぐにまた出てくる
触ると粉っぽいorぬるっとしている
時間が経つと広がっていく
黒点を見つけやすい場所
天井裏の木材や断熱材の表面
床下の木材やコンクリートの隙間
壁紙の継ぎ目やクロスの裏側
最初は 小さな点 でも、放置すると どんどん広がり、壁や天井全体を覆ってしまう こともあります。
まとめ
カビは目に見えるようになる前に、 臭い・湿気・シミ・アレルギー症状・黒点 などの兆候が現れます。特に 天井裏・床下・内壁は目視での確認が難しいため、異臭や湿気の状態をしっかりチェックすることが重要 です。
2. 天井裏・床下・内壁のカビを自分で調査する方法
2.1. 視覚・嗅覚を活用したセルフチェック
2.2. 簡易的な測定機器を使った検査方法
2.1. 視覚・嗅覚を活用したセルフチェック
天井裏・床下・内壁のカビは、普段目に見えにくい場所で発生しやすいため、 視覚と嗅覚を活用してセルフチェックすること が重要です。
カビは 色や形状、臭い に特徴があるため、適切な方法で確認すれば、専門業者に依頼する前に 自分でカビの兆候を発見 できることもあります。
ここでは、 カビの視覚的特徴や臭いの種類、セルフチェックの具体的な方法 について詳しく解説します。
1. 視覚を活用したセルフチェック
カビの種類や発生状況は、 目で確認できる兆候がいくつかあります。
天井裏・床下・内壁をチェックする際は、 ライトや鏡を活用しながら慎重に目視で確認 しましょう。
(1) カビの色や形状をチェックする
カビは 色や形状 によって発生初期か進行しているかを見極めることができます。
特に注意が必要な場所
天井裏 → 屋根や壁の接合部、断熱材の表面に異常がないか確認
床下 → 木材やコンクリートの基礎部分に黒ずみや斑点がないかチェック
内壁 → 壁紙の裏や継ぎ目部分に浮きやシミがないか見る
(2) シミや変色をチェックする
カビは 水分の影響を受けやすい ため、 シミや変色 が発生している場所にはカビが隠れている可能性があります。
シミや変色の種類
黄色っぽいシミ → 天井裏で雨漏りが起こり、内部にカビが発生している可能性
赤茶色の変色 → 床下の湿気によって木材が腐食し始めているサイン
白っぽく粉を吹いたような状態 → 内壁内部でカビが繁殖している証拠
シミや変色の見つけ方
天井裏 → 屋根裏の木材部分にシミがないかチェック
床下 → 懐中電灯を使い、木材の柱や梁に変色がないか確認
内壁 → 壁紙やクロスをめくり、内部に変色がないか調査
(3) カビの胞子が飛散しているかを確認
カビは 胞子を放出するため、周囲のホコリに混じって広がる ことがあります。
胞子が飛散しているサイン
壁や天井の近くに黒い粉が溜まっている
家具や床に細かい黒い点が落ちている
エアコンや換気口の周りに黒ずみがある
発見方法
黒い粉をティッシュで拭き取ってみる → 何度拭いてもすぐに再発する場合はカビの可能性大
光を当ててホコリの中に黒点がないか確認 → 空気中に舞っている場合、カビの胞子の可能性
2. 嗅覚を活用したセルフチェック
カビの発生初期段階では 見えない場所で進行 していることが多いため、 臭いを手がかりにカビを発見する ことが重要です。
(1) カビ臭を判別する
カビが発生すると MVOCs(微生物揮発性有機化合物) というガスが発生し、独特の臭いを放ちます。
カビ臭の種類と特徴
「湿った古い本のような臭い」 → 壁や床の内部にカビが潜んでいる可能性
「腐った木材のような臭い」 → 床下や天井裏で木材がカビに侵されている
「ツンとした酸っぱい臭い」 → 壁紙の裏側や断熱材の内部でカビが繁殖
特に臭いを確認するべき場所
エアコンや換気扇の吹き出し口
押し入れやクローゼットの内部
床下の収納スペース
壁紙の継ぎ目やコンセント周り
(2) 空気のこもり具合をチェック
カビ臭が強くなるのは 風通しが悪い場所 です。そのため、 室内の換気状態を意識して嗅覚チェック を行うことが大切です。
空気の流れを使ったチェック方法
窓やドアを閉め切った状態で30分放置する
部屋に入った瞬間の空気の臭いを感じ取る
カビ臭さがある場合は、発生源を特定するために部屋の隅や床下を確認
3. セルフチェックの注意点
チェックは湿度の高い時間帯に行う
→ カビの臭いは湿気が高いほど強くなる
懐中電灯やスマホのライトを活用する
→ 暗い場所ではカビを見逃しやすい
マスクを着用する
→ カビの胞子を吸い込むとアレルギー症状が出る可能性がある
まとめ
視覚と嗅覚を活用することで、 天井裏・床下・内壁のカビの兆候をセルフチェック することが可能です。
目視での変色・シミ・黒ずみのチェック に加え、 臭いを手がかりに発生場所を特定することがポイント です。
2.2. 簡易的な測定機器を使った検査方法
視覚や嗅覚を活用したセルフチェックだけでは、天井裏・床下・内壁の 内部で発生しているカビ を正確に特定することは困難です。そのため、 簡易的な測定機器を使用することで、より正確にカビの発生状況を判断 することができます。
ここでは、カビを検査するために役立つ 簡易的な測定機器の種類と使い方 について詳しく解説します。
1. 湿度計を使ってカビの発生リスクを測定する
カビは 湿度60%以上 で発生しやすくなり、80%以上 では急激に繁殖が進みます。したがって、湿度計を使って 天井裏・床下・内壁周辺の湿度 を測定することで、カビが発生しやすい環境になっているかどうかを判断できます。
湿度計の設置場所
天井裏 → 点検口付近に湿度計を置き、数時間後に測定値を確認する
床下 → 床下収納がある場合はその内部で測定する
内壁 → 部屋の四隅や換気が悪い場所で測定する
湿度計を活用するポイント
湿度60%以下が理想 → 60%以上の場合、カビ発生のリスクが高い
時間帯による変化を確認 → 朝・昼・夜で測定し、湿度の変動をチェック
雨の日と晴れの日で比較 → 梅雨時期や雨の日に湿度が急上昇する場合は要注意
2. 赤外線温度計を使って結露の有無を確認
カビの発生要因の一つに 結露 があります。赤外線温度計を使うと、表面温度の違い から結露しやすい場所を特定することができます。
赤外線温度計とは?
赤外線を使って 物体の表面温度を非接触で測定 する機器で、特に 壁や天井、床の温度差 を測ることで、結露が発生しやすい場所を特定できます。
赤外線温度計の使い方
壁や天井の温度を測定 → 室内と外気に面した壁の温度を比較
床下の基礎部分を測定 → 地面近くの温度を確認し、湿度が高くなっていないか判断
天井裏の温度を測定 → 温度差が大きい部分は結露が発生しやすい
測定結果の見方
温度差が大きい場合 → 結露が発生しやすく、カビが繁殖する可能性が高い
温度が15℃以下で湿度が高い場所 → カビの成長リスクがある
3. カビ検査キットを使ってカビの種類を特定
カビの胞子は 空気中に浮遊 しており、肉眼では確認できません。しかし、カビ検査キット を使用することで、空気中や表面に付着したカビの種類を簡易的に調査できます。
カビ検査キットの使用方法
天井裏や床下、内壁の表面を綿棒でこする
培養液に塗布し、指定の時間放置する
色の変化をチェックし、カビの種類を判定する
4. VOC測定器を使ってカビ臭の強さを測定
カビは MVOCs(微生物揮発性有機化合物) というガスを放出するため、VOC測定器を使って カビ臭の強さ を測定することができます。
VOC測定器とは?
VOC(揮発性有機化合物)を測定することで、 空気中のカビ臭の濃度を数値化 できる機器です。
VOC測定器の活用方法
天井裏の換気口やエアコンの吹き出し口で測定
床下の通気口付近や押し入れで測定
内壁のコンセント部分やクロスの継ぎ目で測定
まとめ
簡易的な測定機器を使うことで、 目に見えないカビの発生リスクを正確に把握する ことが可能です。湿度計・赤外線温度計・カビ検査キット・VOC測定器を活用すれば、天井裏・床下・内壁の カビのリスクを早期発見し、必要な対策を講じる ことができます。
3. 自分での調査の限界と業者に依頼すべきタイミング
3.1. 自分で発見できないカビのリスク
3.2. 専門業者による詳細な調査のメリット
3.1. 自分で発見できないカビのリスク
カビは 目に見える状態になってからでは、すでに広範囲に広がっている ことが多く、天井裏・床下・内壁といった 普段目にすることができない場所では、気づかないうちに深刻な問題へと発展する可能性 があります。
自分でカビを発見するために視覚や嗅覚を活用し、簡易的な測定機器を使う方法もありますが、見つけられないカビにはリスクが伴う ため、注意が必要です。
ここでは、 自分で発見できないカビが引き起こすリスク について、健康被害・建物への影響・生活環境の悪化などの観点から詳しく解説します。
1. 健康被害のリスク
カビは 胞子やカビ由来の化学物質(MVOCs)を放出 し、それを吸い込むことで アレルギー症状や呼吸器系の疾患 を引き起こします。特に、天井裏・床下・内壁で発生したカビは 目に見えなくても空気中に広がっている ため、知らず知らずのうちに健康被害を受けることがあります。
(1) アレルギーや呼吸器疾患の発症
カビの胞子は空気中に浮遊し、室内の空気を汚染します。長期間吸い込むことで、以下のような症状が現れる可能性があります。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり
目のかゆみ・充血
喉の痛み・咳・喘息の悪化
頭痛・倦怠感・集中力の低下
特に 小さな子ども、高齢者、免疫力が低下している人 は影響を受けやすく、喘息の発症リスクが高まります。
(2) 真菌感染症のリスク
カビの中には 真菌感染症を引き起こす種類 も存在します。例えば、アスペルギルス属のカビは、肺に感染すると「肺アスペルギルス症」を引き起こす ことがあります。
免疫力が低下している人や、持病のある人は特に注意が必要 です。
(3) カビ毒(マイコトキシン)の影響
一部のカビ(特に黒カビの一種であるスタキボトリス)は、マイコトキシン という有害物質を生成し、長期的に曝露すると 神経系や肝臓にダメージを与える ことがあります。
症状としては、慢性的な疲労感、吐き気、めまい、記憶障害 などが報告されています。
2. 建物の劣化と構造的なダメージ
カビは 建材の内部で繁殖し、構造自体を脆くする ため、建物の寿命を縮める原因となります。自分で発見できないカビが広がることで、以下のような影響が出る可能性があります。
(1) 木材の腐朽と強度の低下
天井裏・床下・内壁のカビは 木材の表面だけでなく内部にも浸透 し、最終的に 木材腐朽菌(木材を腐らせる菌) の発生を促します。
これにより、建物の耐久性が著しく低下し、耐震強度にも影響を及ぼす ことがあります。
建物の劣化によるリスク
天井裏の木材が腐食し、天井が落下する危険性
床下の土台や柱が弱くなり、床が沈む・歪む
壁内部の石膏ボードや合板がカビで劣化し、壁の強度が低下
(2) 配管や電気設備への悪影響
カビが発生しやすい環境では、水道管や電気配線の劣化 も進行しやすくなります。
水道管の腐食 → カビとともにサビや腐食が進行し、漏水の原因となる
電気配線の被膜が劣化 → 漏電や火災のリスクが高まる
特に 天井裏や床下のカビは、電気設備にも影響を与える ため、放置すると 火災の原因 になることもあります。
3. 生活環境の悪化
目に見えないカビが発生していると、家の環境自体が悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。
(1) 室内の空気質の低下
天井裏・床下・内壁のカビが進行すると、カビ臭が家全体に広がり、不快な環境になる ことがあります。
換気をしても カビ臭が取れない場合、見えない場所で大量のカビが繁殖 している可能性が高いです。
(2) 家具や衣類へのカビの移動
カビの胞子は空気中に浮遊するため、家の中の家具や衣類、布団、カーテンなどに付着し、二次被害を引き起こす ことがあります。
クローゼット内の衣類にカビが生える
布団やカーペットが湿気を吸収し、黒カビが発生
押し入れや収納スペースの荷物がカビ臭くなる
カビの胞子は 目に見えないため、気づいた時には広範囲に広がっている ことが多く、日常生活に悪影響を与えます。
4. 自分で発見できないカビを放置するリスク
まとめ
自分で発見できないカビが広がると、 健康被害・建物の劣化・生活環境の悪化 など、さまざまなリスクが発生します。
特に 天井裏・床下・内壁のカビは、見えない場所で静かに進行 するため、気づいた時には手遅れになっているケースもあります。
3.2. 専門業者による詳細な調査のメリット
天井裏・床下・内壁のカビは、目に見える範囲で発生しているとは限りません。自分でセルフチェックを行っても 隠れたカビを完全に発見することは困難 です。
そのため、 専門業者による詳細な調査を依頼することで、確実にカビの発生状況を把握し、適切な対策を講じることができます。
ここでは、 専門業者による調査のメリット について詳しく解説します。
1. 目視では見つけられないカビを発見できる
カビは 壁の内部や天井裏、床下の見えない部分 で繁殖していることが多く、表面に現れる頃にはすでに広範囲に広がっているケースが多い です。
専門業者の調査では、 通常の視覚チェックでは発見できないカビの存在を特定 することが可能です。
(1) 赤外線カメラを使った調査
赤外線カメラを使用することで、壁や天井の内部にある湿気や結露の状況 を可視化できます。
温度差から結露が発生しやすい場所を特定 し、隠れたカビの発生源を見つけられる
天井裏や床下の奥深くまで調査できるため、手の届かない範囲のカビも確認可能
水漏れや雨漏りの影響でカビが発生している箇所を正確に把握できる
(2) 内視鏡カメラによる調査
内壁のカビを発見するには、壁の内部を確認する必要があります。専門業者は、小さな穴を開けて内視鏡カメラを挿入し、内部の状況を調査できます。
壁の内部で進行中のカビの状況を直接確認できる
最小限の穴開けで済むため、余計な工事の負担を軽減できる
配管周りの湿気や結露の影響もチェック可能
(3) 専用のカビ検査キットを使用
市販のカビ検査キットでは、空気中のカビの存在を簡単にチェックできますが、専門業者は高精度なカビ検査キットを使用し、カビの種類や濃度を詳細に分析 します。
カビの種類(黒カビ・白カビ・緑カビなど)を特定できる
カビの濃度を数値化し、どの程度の影響があるかを判断可能
空気中のカビ胞子の分布を測定し、被害範囲を特定できる
2. 住宅の構造的なダメージもチェックできる
カビは 建物の構造に深刻な影響を与える ことがあります。
専門業者の調査では、木材の腐食や壁の強度低下など、建物のダメージも含めて総合的に判断 できます。
(1) 床下や天井裏の木材の強度チェック
カビが発生すると、木材が腐食しやすくなります。床下や天井裏の木材がどの程度劣化しているかを専門機器で測定 することが可能です。
含水率計を使用し、木材の水分量を測定 (20%以上なら要注意)
カビだけでなく、シロアリの影響も同時に確認可能
構造的な強度の低下を早期発見できる
(2) コンクリートや基礎部分のダメージチェック
床下のカビは、コンクリートや基礎部分にも影響を与えます。
コンクリートの表面に黒カビが発生している場合、内部まで浸透している可能性がある
水分の影響でひび割れや剥離が進行しているケースも発見可能
3. 再発防止策の提案ができる
カビの発生原因を特定するだけでなく、再発防止のための適切な対策を専門業者が提案 できます。
(1) 換気の改善
カビの発生原因の多くは 換気不足 による湿気の滞留です。
専門業者は、家の換気状況を分析し、適切な改善策を提案 できます。
床下換気扇の設置による湿気対策
天井裏の換気口の増設や清掃による通気改善
壁内部の結露を防ぐための断熱材の最適化
(2) 防カビコーティングの施工
カビが発生しやすい場所には 防カビコーティング を施すことで、再発を防ぐことができます。
防カビ剤を使用し、天井裏・床下・壁内部のカビの発生を防ぐ
湿気の多い場所に防湿シートを施工し、湿気を吸収しにくくする
壁の塗装を防カビ仕様に変更し、長期間カビの発生を防ぐ
4. 早期対策で修繕コストを削減できる
まとめ
専門業者による詳細な調査を依頼することで、自分では発見できないカビの存在を特定し、建物のダメージや再発防止策を総合的に判断できる というメリットがあります。
特に 天井裏・床下・内壁のカビは、知らないうちに広範囲に広がることが多いため、早期の調査が重要 です。
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カビバスターズ沖縄
沖縄県国頭郡金武町伊芸1996-13
電話番号 : 080-3977-9591
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